注文住宅 コーディネーターのひとりごと

日本政府がカーボンニュートラルを目指し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速しています。2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを目指す政策は、菅元総理の所信表明演説で明確にされました。また2030年度までには温室効果ガスを2013年度から46％削減するという目標も掲げられ、岸田総理のCOP26のスピーチにおいて再エネ導入やクリーンエネルギーの推進が強調されました。

この取り組みは、住宅分野においても大きな変革をもたらしています。国土交通省から発表された省エネ対策ロードマップによれば、2050年までに目標達成に向けた政策が実施され、その中期目標として2030年が設定されています。具体的には、2025年までには省エネ基準の適合が義務化され、断熱等級4の基準が要求される予定です。また、2030年までにはより高い基準であるZEH基準、断熱等級5に引き上げられる予定です。

さらに、住宅省エネ性能の光熱費表示制度も改善されます。省エネの項目が確認申請に追加されるほか、省エネ性能をお金に換算する手法も今秋頃リリースされ、各住宅の光熱費が計算可能になる予定です。

地方自治体もこの動きに追随し、省エネ基準のさらなる強化を検討しています。例えば、長野県では2025年以降、国を上回る基準でZEH一部要件の義務化を検討しております。このことからも九州地方最大の都市であり商業や金融の中心地となっている福岡県も例外ではないかもしれません。

住宅購入者にとっても、省エネルギーへの関心が高まっています。フラット35S（ZEH）の金利引き下げ率が最高になったことや、住宅ローン減税制度の改善など、省エネルギーに取り組むことで住宅購入者にとっても、省エネルギーへの関心が高まっています。フラット35S（ZEH）の金利引き下げが最高になったことや、住宅ローン減税制度の改善など、省エネルギーに取り組むことで経済的なメリットが享受できるようになっています。

さて、このように日本政府を始め地方自治体や金融機関までZEHの推進強化の取り組みに力を注いていますが、ＺＥＨ住宅を建てる為に必要な建材や設備機器を簡単にご紹介します。高効率エアコン、太陽光発電システム、LED照明、高性能換気設備、高効率給湯設備、節湯型水栓、エネルギー計測装置（HEMS）、高性能断熱外皮（断熱材やサッシ）などがその一部です。これらは一般の住宅よりも割高になる設備や建材になりますが、その投資額は電気代の削減により回収されます。またＺＥＨ住宅に対する補助金もでますので、お得にＺＥＨ住宅を手に入れるチャンスとも言えるでしょう。

環境共創イニシアチブの最新アンケートによると、ZEH住宅を購入した人の約9割が他の人にもおすすめすると回答しています。内容は様々ですが、省エネルギーへの意識の高まりとZEH住宅の採用による電気代の削減と快適性の向上の相乗効果が明確に示されています。住宅分野における省エネルギーの取り組みは、地球温暖化の抑制に貢献するだけでなく、住宅所有者自身にも経済的なメリットをもたらすものです。

このように私たちは今、知識を活かして未来を切り拓く時代に突入したとも言えるでしょう。エネルギー効率向上やカーボンニュートラル政策の注目により、住宅建築においても変革が求められています。今後の家づくりの合理的な選択としてZEH住宅の検討は欠かせないものとなっています。